ひょうたん釉薬で焼物を制作

ひょうたん釉薬(ゆうやく)で焼物を制作

岐阜県支部 竹内 蘭
陶芸家 千賀 希

「養老ひさご釉」ひょうたんの茎や葉、果皮のかけらなど栽培加工過程で普段捨ててしまうものを灰にして釉薬に活用、焼物を作ったニュースが令和3年9月12日の岐阜新聞朝刊に掲載されましたのでご報告いたします。


岐阜新聞 令和3年9月12日

ひ ょ う た ん 活 用 、釉 薬 に
養老の2作家焼き物を製作

養老町在住の2人の作家がタッグを組み、同町のシンボル、ひょうたんを釉薬に使った焼き物が完成した。
陶芸家の千賀希さん(46)とひょうたんランプ作家の竹内蘭さん(42)による初の試みで、乾燥させたひょうたんのような素朴な味わいの薄いからし色に仕上がった2人は「どんな色に焼き上がるか予想もできなかったが、まさに“ひょうたん色”になった」と口をそろえる。
今後は展示会などで発表したいという。          (記事=小田香緒里)

薄いからし色、質感「まるで本物」

竹内さんは、ひょうたんに優美な模様をあしらい透かし彫りしたランプや、ひょうたん独特の形を生かしてペイントした作品などを手掛ける。
茎や葉、創作の過程で出るひょうたんのかけらなどはごみになっていたが、釉薬にはわらの灰を使うと知り、千賀さんにひょうたんを活用して粕薬にできないかと相談。千賀さんも「ひょうたんの釉薬は聞いたことがなかった」が興味を持ち、2人の作家のコラボが実現した。

8月のひょうたんの収穫時期に取れた茎などを竹内さんが灰にして、千賀さんが釉薬にして焼き上げた。作品は、薄いからし色で質感もひょうたんのよう。地中からひょうたんが吸った鉄分によるとみられる茶色い模様が浮き出て、端正なたたずまいの中にも表情がある。

千賀さんは「養老の自然の中で育ったひょうたんのような素朴さもあり地元らしい焼物になった」。竹内さんは「ひょうたんの色になるとは感動。全く違うジャンルの作家とコラボできたのもうれしい」と喜ぶ。

大量生産は難しいため、今後は展示会や地元の茶会などで使い、いずれは販売も検討したいという。

令和3年9月12日 岐阜新聞朝刊より引用



投稿掲載:令和3年9月19日