瓢道綱領とその理念

制算を愛することを基本に、その栽培や工芸技術を研鑽し、優秀な作品の入賞歴や愛瓢会活動における会員年数、役員歴等評価して、囲基の段位制に因み平成6年に「飄道位制」を設けました。その後「瓢道」というものは、もとより「人格識見を伴った道徳に根差した人の道であり、段位取得者が自覚して心得るべき指標とするべきものである」との考えにもとづき翌年平成7年に『瓢道綱領』を制定しました。その文言作成をした森名誉会長による「文言の理念」を下記致します。

一、瓢々を旨とし小事にこだわるべからず

瓢箪がぶらりと下がった風情はおおらかで、世の中の小さな争いなどせせら笑っているようです。愛瓢家はこうありたいとおもいます。なお「瓢々」は「飄々」が正しいことはよく承知していますが、遊び心で「瓢々」としました。ご異論もあろうかと存じますが小事にこだわらずでお願いします。

二、円相は平和の象徴、和を第一と心得べし

瓢箪は何処を見ても丸くて角がありません。飘箪を見習って角の無い人格を目指したいものです。

三、くびれは奢りの戒め、謙虚を旨とすべし

瓢箪は腰がしっかりとくびれています。これは、締まる所は締まらなければいけないことを教えているようです。人間誰でも地位や名誉を得ると偉そうになるものですが、心して慎みたいものだと思います。

四、空は無欲の鑑、利に走るべからず

種出しを終えた瓢箪は中空で何もありません。この中空は古来から哲学や禅の理念ともなっています。世の中の争いは殆どが貪欲が元で起こっています。出来るものなら空の境地になり貪欲は慎み離れたいものです。

五、不沈は不屈のあかし、精神力こそ肝心なり

種出し水漬けの際、瓢箪を沈めるのに苦労した経験は誰でもおありと思います。また古代の海洋航海に瓢箪が浮きとして使われたことも知られています。人格の形成には、この沈めようにも沈まない強い信念も必要ではないでしょうか。